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再治療には自費治療を
おすすめしていますこれまで治療したことのない歯に虫歯ができてしまった場合、大概虫歯の範囲はそれ程大きくありません。(虫歯を長く放置していて、歯が崩壊している場合はその限りではありませんが…)ごく小さな虫歯は保険治療でも良好な結果を得ることができると思います。
しかし、過去に治療されていた歯が再度虫歯になった場合は、より慎重になる必要があります。なぜなら歯は3、4回と治療を重ねてゆくと抜歯になる可能性が高まるからです。抜歯を避けるためには『治したところがまた悪くなる』ことを避けることが非常に大切であると考えます。そのためより自費治療で精密に治療を行い再治療の可能性をできるだけ下げる事をおすすめしております。 -
選択肢の1つとして
ご検討いただく材料として保険治療と自費治療の本当の違いって…?
「保険治療と自費治療の違いは、使う材料の違いでしょ?」「銀歯か白か色の違いでしょ?」そのように思っている方がいらっしゃるかもしれません。(確かに保険では認められていない材料を使います)しかしながら私の自費治療に対する考え方はそれとは大きく違います。材料で言うなら、自費治療でも保険治療で使用する材料を頻繁に使います。
では何が違うのか?…それは、少しでも歯を長持ちさせるためにかける、治療の『時間』と『精密さ』です。例えば歯科治療で良く行う詰め物の治療(レジン治療)。虫歯で痛んでいる箇所を取り除いた後、接着剤を塗布し詰め物を充填し、光をあてると簡単にくっ付きます。治療直後は一見してきちんと詰まっているかと思います。しかし、実はそう簡単ではなく、詰める前に汚れや細菌を歯面から完全に取り除いておかないと正しく接着しません。接着面が唾液や血液に触れると接着不良を起こしますし、そもそも虫歯の取り残しがあるとそこは接着しません。これらの条件をきちんと整えて、長持ちする治療を行おうとすると、単純な詰め物の治療でも結構神経を使いますし、歯髄(歯の神経)を保護しつつ、虫歯を徹底的に取り除くには何より時間がかかります。しかしそこで手を抜くと、たった数年で接着した所が外れてきてさらに詰め物の下が虫歯になってしまいます。
正直なところ、このような様々な工程に、充分に時間を掛けられないのが保険治療の現状です。私自身が臨床経験を積み、治療スキルが上がってきたことにより、この様な細かなことの積み重ねが治療の予後に大きく関わることがわかってきました。
精密な治療のためには、手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を使った3.4〜21.3倍の拡大視野下で丁寧に治療することがとても効果的です。正直今でも、「今までよくこの治療を顕微鏡なしで治療していたな〜…」と思うほど、普通に治療する場合と顕微鏡下で治療することは違うことがあります。ただしそれもあまり患者さんには伝わりません。できるだけ再治療をさせない治療を
当院はまず虫歯にならない事・再発させない事が最も価値があることと考え、スタッフ一同、日々診療に取り組んでおります。それでも不幸にして治療する必要が出た場合は、それが例え小さな虫歯の治療でも時間をかけて精密に治療することはとても価値があると思います。一度治療した歯が、幸運にも生涯問題なく経過する場合も多いと思いますが、被せ物や詰め物は経年的に劣化してゆきます。(どんなに優れている材料でも所詮は人工物です)ですから、出来るだけ精密に治療を行い、一度治療した所を少しでも長く持たせる。その結果、生涯の中でその歯を治療する回数を減らすことができれば、それだけ自分の歯を長く使える可能性が高まると考えます。
以上が私の考える自費診療です。患者さんおひとりおひとりにご説明するのはとても難しいのでまとめてみました。